筋肉量

筋肉は骨とともに、重力による刺激を神経で受け取って、それに応じて強化され続けています。

人類が宇宙飛行の度重なる経験から、学ぶことができたことの一つに、 1Gの重力と運動(日常生活程度の軽微な運動であっても)の刺激によって、 骨も筋力も今の強さを保っていた、ということがあります。

無重力空間で暮らし続けた結果、骨からはカルシウムが尿に溶け出して排出され、 筋肉量も減少して、骨量が5〜20%も減少、筋肉が萎縮してしまい、(無重力状態ではそれで 問題ないのですが)地球に戻ると、立ち上がることも困難なほどの状態に。

にもかかわらず、帰還後の宇宙飛行士達は、適正なカリキュラムと地球の重力の刺激によって、 何日単位という驚異的なスピードで地球上での生活に適した筋肉量を取り戻してゆくそうです。
(一方で骨が元に戻るのには、何年か必要なのだそうです。)

筋肉にこれほどの幅の適応能力がある、ということも驚きですが、 地球から離れることなく、生涯を終える可能性の大きい、大部分の人間にとっても、 この知識から得られることはありそうです。

骨と筋肉には、どちらも負荷がかかること、運動による刺激を受けることが必要だということ。
つまり、使われてはじめて、健康な状態を維持出来る器官だと言うことです。

そうそう、ちなみに、筋肉量・・・などといいますが、筋肉が脂肪に置き換わって無くなったり、 細胞そのものが増えたりはしないようです。


筋肉は負荷をかけられることで、細かい傷を受け、この傷を修復する過程で、より丈夫にしようと 太くなるのだそうで、脂肪に変わったようにみえるのは、使われない筋肉が退化して痩せるため、 その部分についた脂肪がいかにも筋肉が脂肪に置き換わったかのように見える、ということのようです。



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