消化とは何か

1 口から胃へ

消化には、機械的消化と、化学的消化の2種類あります。

良く嚼んで食べましょうということは、良く聞きますが、理由はいくつもあります。
機械的消化をするためだけではなく、口の中で3種類の唾液(耳下腺、舌下腺、顎下腺から分泌される唾液は、それぞれ成分もすこしずつ違います)と食べたものをよく混ぜ合わせてから胃の中に送り込むことで、次の段階の化学的消化を助けるとともに、固い食材などの表面を粘りけのある唾液で覆って食道を守ることにもつながるのです。

嚼むことで刺激されて、唾液腺から唾液が出てきます。この中には、免疫物質も豊富に含まれていますが、消化液のひとつであるアミラーゼ(デンプンなどの炭水化物を分解する酵素です)が主要な成分です。

噛み終わった食物を飲み込むと、30秒〜1分くらいで食道を通過して胃に流れていきます。
胃はしぼんだりふくらんだりするような動きを繰りかえして、中に入った食物がさらによく、消化液と混ざるようにします。

食物の中に、たんぱく質が含まれていると、胃の出口あたりにあるセンサーの働きで、胃の中のpHが酸性に変わります。胃酸が分泌されてアミラーゼのはたらきは押さえられ、かわりに胃酸の中で活発になる消化酵素、ペプシンによってたんぱく質が分解され始めます。

胃には、食物を一時的に貯めておく、という働きもあります。一般的に脂質やたんぱく質は、炭水化物よりも滞留時間が長いようです。(はらもちが良い=おなかが空きにくい、というのは、この、胃の滞留時間が長いということであろうと思われます。)



サイトマップ